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子宮頸がんは「なくせる」がん|WHOが排除を掲げる唯一のがん

この記事でわかること

  • 子宮頸がんが、WHOが排除を掲げる唯一のがんとされている背景がわかります
  • 「90-70-90」の3つの数字の意味と、日本の現在地がわかります
  • 一人ひとりの検診・受診・接種が、排除の数字にどうつながるか整理できます

数あるがんの中で、子宮頸がんには特別な位置づけがあります。世界保健機関(WHO)が「排除(elimination)できる」と宣言し、全世界で期限つきの戦略が動いている、唯一のがんだということです。

シリーズの締めくくりとして、この大きな絵と、その中での日本の現在地、そしてあなた一人の行動の意味をお伝えします。

WHOの「90-70-90」戦略

2020年、WHOは子宮頸がん排除のグローバル戦略を採択しました。2030年までに各国が目指す3つの数字が掲げられているとされています。

  • 90: 15歳までの女子の90%がHPVワクチン接種を完了する
  • 70: 女性の70%が、35歳と45歳までに精度の高い検査(HPV検査など)による検診を受ける
  • 90: 前がん病変・がんと判定された女性の90%が適切な治療・ケアを受けられる

この3つが達成されれば、子宮頸がんの罹患率を「排除」の水準(人口10万人あたり4人未満)まで下げられるとされています。「撲滅(ゼロ)」ではありませんが、「まれな病気」にできる——ワクチンと検診という道具が揃っているからこそ描ける道筋です。

先頭を走るのはオーストラリアで、高いワクチン接種率とHPV検査ベースの検診により、世界で最初に排除水準に到達する国になると見込まれているとされています。

日本の現在地:道具はある、届いていない

一方、日本の現状は次のとおりです。

  • 年間約1万人が子宮頸がんと診断され、約2,700人が亡くなっているとされています
  • 検診受診率は4割程度にとどまり、先進国の中で低い水準とされています
  • ワクチンは約9年間の積極的勧奨差し控えの影響で接種率が大きく落ち込み、2022年の勧奨再開後、回復の途上にあります
  • HPV検査単独法の検診への導入も始まったばかりです

つまり日本は、「防ぐ道具は全部揃っているのに、届いている人がまだ少ない」国です。裏を返せば、伸びしろが最も大きい国のひとつだとも言えます。

「排除」は、一人ひとりの行動の合計です

90-70-90という数字は、国の目標のように見えて、実際には個人の行動の集計値です。

  • あなたが検診・検査を受ければ、「70」が一人分進みます
  • あなたやあなたの子どもがワクチンを検討すれば、「90」が一人分進みます
  • 要精密検査を放置せず受診すれば、最後の「90」が一人分進みます
  • そして、あなたがパートナーや友人とこの話題を話せば、その先でまた数字が動きます

このサイトで私たちが180本近い記事を書いてきた理由も、ここにあります。疑問や不安のひとつひとつが、検診・検査・受診・接種の手前にある「止まってしまう理由」だからです。その理由を一つずつ取り除くことが、排除への最短経路だと考えています。

2030年、そしてその先へ

排除戦略の期限である2030年は、もう遠い未来ではありません。今年20歳で検診デビューする世代、今年ワクチンを打つ中高生は、「子宮頸がんがまれな病気になった日本」を生きられる最初の世代になるかもしれません。

その未来は、制度や医療だけでは実現しません。あなたの次の1回——検診の予約、自宅での検査、ためらっていた受診——から始まります。

このサイトは、その1回のための情報基地であり続けます。

まとめ

  • 子宮頸がんは、WHOが排除戦略(90-70-90)を掲げる、世界で唯一の「なくせる」とされるがんです
  • 日本は道具(ワクチン・検診・検査)が揃いながら、届いている人がまだ少ない国。伸びしろは大きい
  • 排除は個人の行動の合計。あなたの検診・検査・受診・接種の一歩一歩が、そのまま数字を動かします
  • 次の1回を、今日決めてください。それがこのシリーズ全体でお伝えしたかったことです

参考にした公的情報・出典

症状がある方へ

不正出血、月経以外の出血、おりものの変化など、気になる症状がある場合は、検診や検査キットではなく、早めに婦人科を受診してください。

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