この記事でわかること
- 性交痛の主な原因を、入り口付近か奥の方かという痛む場所から整理できます
- 性交痛と子宮頸がんの関係と、性交後の出血がある場合の受診の目安がわかります
- 婦人科で伝えるとよいことや、パートナーと共有できる考え方がわかります
性交時の痛みは、とても相談しにくい悩みです。「こういうものかな」と我慢を続けている方、パートナーにも言えずにいる方が少なくありません。
先にお伝えしたいのは、性交痛は婦人科で普通に相談できる症状であり、原因の多くは対処できるものだということです。
性交痛の原因は、痛む場所で整理できます
性交痛の原因はさまざまで、痛む場所やタイミングである程度整理できます。
入り口付近が痛む場合
- 潤滑不足・腟の乾燥: 最も多い原因のひとつ。緊張、前戯の不足のほか、授乳中・閉経前後はホルモンの変化で腟が乾燥しやすくなるとされています
- 腟や外陰部の炎症: カンジダ腟炎、細菌性腟症、性感染症(クラミジア・ヘルペスなど)による炎症で、痛みやしみる感じが出ることがあります
- 過去の痛みの記憶や緊張: 一度痛い経験をすると、体が構えて余計に痛む悪循環が起こりがちです
奥の方が痛む場合
- 子宮内膜症: 深い部分の性交痛の代表的な原因とされ、月経痛の悪化を伴うことが多いとされています
- 骨盤内の炎症(骨盤腹膜炎など): 下腹部痛や発熱を伴うことがあります
- 子宮筋腫・卵巣の腫れなど: 位置や大きさによって痛みの原因になることがあります
子宮頸がんとの関係は?
性交痛そのものは、子宮頸がんの典型的な症状ではないとされています。性交痛だけで子宮頸がんを心配する必要は基本的にありません。
ただし、性交時・性交後の「出血」は別です。性交後の出血は、子宮頸部の異常(ポリープ、炎症、まれに前がん病変やがん)で起こることがあるサインとされており、繰り返す場合は婦人科での確認が必要です(詳しくは「性交後の出血」の記事へ)。
- 痛みだけ → 上記の原因を疑い、続くなら婦人科で相談
- 出血を伴う・出血だけでもある → 早めに婦人科へ
婦人科での相談のしかた
「性交痛を病院で話すのは恥ずかしい」と感じるのは自然なことですが、婦人科にとってはごく日常的な相談内容です。
- 伝えること: いつから/入り口か奥か/毎回か特定の状況か/出血・かゆみ・おりものの変化・月経痛の変化を伴うか
- 問診票に「性交時の痛み」と書くだけでも、口頭で言う負担が減ります
- 原因に応じて、保湿・潤滑剤の使い方、炎症の治療、ホルモンの補充、子宮内膜症の治療など、取れる対処は多くあります
我慢を続けることは、体の原因を放置することにも、パートナーとの関係のすれ違いにもつながります。「治せるかもしれない症状」として、一度相談してみてください。
パートナーと共有できること
- 痛みがあるとき、原因の多くは「気持ちの問題」ではなく体の状態にあること
- 潤滑剤の使用はごく一般的な対処で、恥ずかしいことではないこと
- 受診して原因がわかれば、2人にとっての解決に近づくこと
言い出しにくい場合は、この記事を見せる形でも構いません。
まとめ
- 性交痛の原因は乾燥・炎症・子宮内膜症などさまざまで、多くは対処できるとされています
- 性交痛だけで子宮頸がんを心配する必要は基本的にありませんが、出血を伴う場合は早めに婦人科へ
- 婦人科では日常的な相談内容です。我慢を続けず、「いつから・どこが・どんなとき」をメモして相談を
- 定期的な検診は、こうした相談の機会としても使えます
参考にした公的情報・出典
- 日本産科婦人科学会「子宮内膜症」 https://www.jsog.or.jp/citizen/5708/
- 日本産科婦人科学会「子宮頸がん」 https://www.jsog.or.jp/citizen/5713/
- 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん 症状」 https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。症状の原因は診察なしには特定できません。気になる症状は医療機関にご相談ください。
症状がある方へ
性交後の出血、不正出血、おりものの変化など、気になる症状がある場合は、検診や検査キットではなく、早めに婦人科を受診してください。

