この記事でわかること
- えるぼし認定の仕組みと、5つの評価項目で決まる3つの段階がわかります
- えるぼしプラスで新たに加わった、女性の健康支援の4つの基準がわかります
- 就職・転職で企業を見るときのマークの読み方と、確認できる情報が整理できます
求人票や企業のホームページで、「えるぼし」というマークを見かけたことはありませんか。えるぼしは、女性の活躍推進に取り組む企業を国が認定する制度です。2026年4月からは、女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」も始まりました。
この記事では、えるぼしの種類と認定の基準、えるぼしプラスで新しく加わった基準を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
えるぼし認定とは
えるぼし認定は、女性活躍推進法にもとづき、厚生労働大臣が行う認定です。一般事業主行動計画を作って労働局に届け出た企業のうち、女性の活躍推進に関する取り組みの状況が優良な企業が、申請によって認定を受けられます。申請の窓口は都道府県労働局です。
認定を受けた企業は、認定マークを商品や広告、名刺、求人票などに付けることができます。
厚生労働省の労働局資料によると、2025年9月末時点で全国3,858社がえるぼし認定を、95社がプラチナえるぼし認定を取得しています。
女性活躍推進法そのものの改正点は「改正女性活躍推進法で何が変わった?」の記事で解説しています。
5つの評価項目を満たした数で3段階に
えるぼし認定は、次の5つの評価項目で判断されます。
- 採用:男女別の採用倍率が同程度であることなど
- 継続就業:女性の平均勤続年数が男性と比べて一定以上であることなど
- 労働時間等の働き方:時間外労働と休日労働の合計が、各月とも平均45時間未満であること
- 管理職比率:管理職に占める女性の割合が、産業ごとの平均値以上であることなど
- 多様なキャリアコース:非正社員から正社員への転換、女性の再雇用や中途採用などの実績
満たした項目の数で、認定の段階が決まります。
- 1段階目(1つ星):1〜2項目
- 2段階目(2つ星):3〜4項目
- 3段階目(3つ星):5項目すべて
いずれの段階でも、実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが求められます。
2026年4月の改正では、1段階目の基準が見直されました。満たしていない項目について、これまでの「2年以上連続して実績が改善していること」に加えて、3年ごとの平均値が連続して改善していることでも評価できる選択肢が加わっています。
プラチナえるぼしとは
プラチナえるぼしは、えるぼし認定を受けた企業のうち、行動計画で定めた目標を達成し、女性の活躍推進の状況が特に優良な企業が受けられる認定です。管理職比率などの基準がえるぼしより高く設定されているほか、情報公表項目のうち8項目以上の公表などが求められます。
プラチナえるぼしの認定を受けた企業は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されます。
2026年4月から「えるぼしプラス」が始まりました
えるぼしプラスとプラチナえるぼしプラスは、えるぼし(1〜3段階目)とプラチナえるぼしに、女性の健康支援に関する基準を加えた新しい認定です。2026年4月1日から申請を受け付けています。
女性の健康支援に関する基準は、すべての段階で共通です。次の4つすべてに当てはまることが必要です。
- 女性の健康上の特性に配慮した休暇制度(年次有給休暇を除く)と、時間単位の年次有給休暇、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務などのいずれかの制度を設けていること
- 女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、制度の内容とあわせて従業員に周知していること
- 研修など、女性の健康上の特性への配慮について従業員の理解を深める取り組みをしていること
- 相談に応じる担当者を選び、従業員に周知していること
休暇制度には、さまざまな目的で使える休暇や、目的を限定しない休暇も含まれます。また、必ずしも女性に限定した取り組みである必要はないとされています。
えるぼしプラスを受けるには、女性の健康支援の基準に加えて、えるぼし本体の基準も満たす必要があります。
2026年夏以降、各地の労働局から認定の発表が出始めています。たとえば長野県では、2026年7月16日に長野県信用組合が県内初の「えるぼし(3つ星)プラス」に認定されました。年次有給休暇とは別の有給の休暇制度、女性の健康課題に関する研修、方針の策定と相談窓口の設置などが、認定にかかる取り組みとして紹介されています。
企業にとってのメリット
厚生労働省は、えるぼし認定について次のようなメリットを挙げています。
- 認定マークを使って、女性の活躍が進んでいる企業であることを示せる
- 国などの公共調達(総合評価落札方式・企画競争)で加点評価の対象になる
- 日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」を、通常より低い金利で利用できる
- プラチナえるぼしは、行動計画の策定・届出が免除される
就職・転職で企業を見るときのポイント
- マークの種類で、認定の段階が分かります。えるぼしプラスのマークがあれば、女性の健康支援の基準も満たしている企業です
- 「女性の活躍推進企業データベース」では、企業ごとの公表データや行動計画を確認できます
- えるぼしプラスの基準には、休暇制度や相談担当者の周知が含まれます。入社後に使える制度を確認する手がかりになります
子宮頸がん検診との関係
えるぼしプラスの基準は、休暇制度、方針の周知、理解を深める取り組み、相談体制の4つです。検診の実施そのものは基準に含まれていません。
一方で、厚生労働省は職場での女性の健康支援の取り組み例として、婦人科検診の受診に対する支援や、検診の大切さを伝える啓発を挙げています。職場の健診に子宮頸がん検診がない場合の受け方は「職場の健診に子宮頸がん検診がない場合」の記事で解説しています。
まとめ
- えるぼしは、女性の活躍推進に取り組む企業を国が認定する制度で、5つの評価項目を満たした数で3段階に分かれます
- プラチナえるぼしは、えるぼし企業のうち特に優良な企業の認定です
- 2026年4月から、女性の健康支援の基準を加えた「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」が始まりました
- えるぼしプラスの基準は、休暇制度、方針の周知、理解を深める取り組み、相談体制の4つで、すべて満たす必要があります
参考にした公的情報・出典
- 厚生労働省「職場における女性の健康支援に取り組む企業を認定する新しい制度『えるぼしプラス』認定・『プラチナえるぼしプラス』認定」(令和8年3月) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001671864.pdf
- 厚生労働省「改正女性活躍推進法等のポイント」(令和8年2月18日改定版) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001663919.pdf
- 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
- 長野労働局「えるぼしプラス認定通知書交付式」のお知らせ(令和8年8月27日) https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/houdou8-27.pdf
- 徳島労働局 資料(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の取得状況) https://jsite.mhlw.go.jp/tokushima-roudoukyoku/content/contents/002621556.pdf
- 日本政策金融公庫「働き方改革推進支援資金」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/hatarakikata.html
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談や医学的な診断・治療に代わるものではありません。認定の基準は公表時点の情報にもとづいています。最新の基準や申請方法は、厚生労働省の資料や都道府県労働局でご確認ください。
症状がある方へ
不正出血、おりものの変化、下腹部の痛みなど、気になる症状がある場合は、検診や検査キットではなく、早めに医療機関(婦人科)を受診してください。

