この記事でわかること
- HPV陽性が妊娠・出産や赤ちゃんにどう関わるのか、基本の考え方がわかります
- 妊活前・妊娠中・産後のそれぞれで、どの検査をいつ受けるのが基本かがわかります
- 妊娠中に自己採取の検査ではなく、産婦人科に相談すべき理由と進め方がわかります
これから家族を考える、あなたへ。
妊娠を考え始めると、自分の体のことが、これまで以上に気になりますよね。「妊娠の前に検査を受けたほうがいい?」「妊娠中にHPV陽性だったらどうなるの?」「赤ちゃんに影響する?」——妊娠とHPVをめぐる疑問に、時系列にそって、ひとつずつお答えします。
妊活前: 一度受けておくと安心。妊娠前に見つかれば、落ち着いて対応できます。/妊娠中: 検診は産婦人科での「細胞診」で。自己採取やHPV検査は控えめに。/産後: 出産後も検診は続けて。忙しい時期こそ、自分の体のメンテナンスを。
妊活の前に ― 一度、受けておくと安心
妊娠を考え始めたら、その前に一度、子宮頸がんの検査・検診を受けておくのがおすすめです。理由はシンプルで、もし変化が見つかった場合、妊娠してからより、妊娠前のほうが落ち着いて対応できるからです。妊娠中に見つかると、検査や処置のタイミングが制限されることがあります。「これから赤ちゃんを」と思ったときが、受けるよいきっかけです。
妊娠前は、いつ受けるといい?
特に「いつまでに」という決まりがあるわけではありませんが、妊活を始める前のタイミングが、ひとつの目安になります。妊娠を意識し始めたときや、いわゆるブライダルチェックの一部として受けておくと、いざ妊娠したときに慌てずにすみます。すでに妊娠している場合は、自己採取ではなく、かかりつけの産婦人科での細胞診で確認していきましょう。
妊娠中の検査は「細胞診」が基本
妊娠中も、子宮頸がん検診(細胞診)は受けられます。多くの場合、妊娠初期の健診に含まれています。受けるなら、妊娠のごく初期がよいとされています。妊娠が進むと、子宮の入り口(子宮頸部)が出血しやすくなるためです。検査の時期や方法は、かかりつけの産婦人科が判断してくれます。
妊娠中は、いつ・どうやって受ける?
妊娠中の子宮頸がん検診は、妊娠初期(最初の妊婦健診のころ)に細胞診で行われるのが一般的です。母子健康手帳にも、検診の記録欄は細胞診を前提として設けられています。妊娠中はHPV検査(とくに自己採取)が積極的にはすすめられないため、「妊娠中の検診=細胞診」と覚えておくと分かりやすいです。受け方やタイミングで迷ったら、自己判断せず、かかりつけの産婦人科に相談してください。
妊娠中のHPV検査・自己採取は積極的にはすすめられない
一方で、妊娠中はHPV検査(とくに自己採取)は、積極的にはすすめられません。理由は2つあります。妊娠中は一時的にHPV陽性となりやすく、結果の解釈が難しいこと。そして、妊娠中の子宮頸部は出血しやすいことです。そのため、妊娠中は、Day360のような自己採取ではなく、産婦人科での細胞診で経過を見るのが基本になります。
【大切なお願い】
妊娠中・妊娠の可能性がある方は、自己採取の検査キットをご利用になる前に、かならずかかりつけの産婦人科にご相談ください。自己判断で進めず、医師の案内にそって進めることが、いちばん安全です。
HPV陽性だと、妊娠や出産に影響する?
多くの場合、HPV陽性そのものが、妊娠や出産を妨げることはありません。経過を見ながら対応できることがほとんどです。もし妊娠中に陽性や気になる結果が出ても、あわてず、産婦人科で相談しましょう。医師が、妊娠の経過にあわせて、検査や対応のタイミングを慎重に判断してくれます。
出産のとき、赤ちゃんにうつる?
出産のときに、ごくまれに赤ちゃんへHPVが伝わる可能性が報告されていますが、これは非常にまれなことで、過度に心配する必要はないとされています。多くの場合、赤ちゃんに伝わったとしても自然に消えていくといわれています。
気になるときは、出産前にかかりつけの産科医に相談しておくと安心です。「自分のHPVのことで、分娩方法を変えたほうがいいの?」と心配される方もいますが、HPV陽性であることだけを理由に帝王切開がすすめられるわけではありません。分娩方法は、HPV以外のさまざまな要素をふまえて、医師が総合的に判断します。不安を一人で抱えず、まずは医師に聞いてみてください。
「子どもに遺伝する?」
いいえ。子宮頸がんは、親から子へ遺伝する病気ではありません。原因はHPVというウイルスの感染で、体質として受け継がれるものではありません。「自分ががんになったら、娘も…」と心配する必要はありません。大切なのは、それぞれが自分のタイミングで、検診やワクチンと向き合っていくことです。
産後の体と検診 ― いつから再開する?
出産すると、生活は赤ちゃん中心になり、自分のことは後回しになりがちです。でも、子宮頸がん検診は、産後も続けていきましょう。お母さんが元気でいることが、家族にとっての安心につながります。
産後の検診は、いつから?
明確な決まりがあるわけではありませんが、産後の体が落ち着いてきたころ(産後の健診のタイミングなど)に、検診の再開について相談しておくとスムーズです。妊娠前や妊娠中に受けてから時間が空いている場合は、対象年齢にあわせて、あらためて検診の予定を立てておくと安心です。
授乳中でも受けられる?
はい、授乳中でも子宮頸がん検診(細胞診)は受けられます。授乳そのものが検査の妨げになることは基本的にありません。産後・授乳期は体やホルモンの状態が変化しやすい時期でもあるので、気になる症状があるときは、間隔に関わらず早めに婦人科に相談してください。
【妊活中・妊娠中の方へ】
妊娠の前後は、検査や処置の進め方が通常と異なることがあります。このページの内容は一般的な目安です。実際の判断は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科に相談しながら進めてください。
最後に
妊娠・出産は、自分の体とまっすぐ向き合う、大きな機会です。赤ちゃんのためにも、そして何より、あなた自身のために、検査や検診を「味方」にしてください。わからないこと、不安なことは、一人で抱えず、かかりつけの産婦人科に相談を。一つずつ確かめていけば、きっと、安心して新しい家族を迎えられます。
Day360について
Day360は、忙しくてなかなか検診に行けない方が、自宅で気軽に最初の一歩を踏み出せる、郵送のHPV検査サービスです(リアルタイムPCR法による検査)。妊娠中・妊娠の可能性がある方は、自己採取をご利用になる前に、かならず産婦人科にご相談ください。陽性だった場合や気になる症状があるときも、医療機関の受診をおすすめします。
参考にした公的情報・出典
- 日本産科婦人科学会「子宮頸がん」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん検診について」
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。妊娠中の検査や気になる症状については、必ずかかりつけの産婦人科にご相談ください。

