この記事でわかること
- HPVワクチンを接種していても、子宮頸がん検診が必要な2つの理由がわかります
- 接種済みの方の検診も、未接種の方と同じルールで受けることがわかります
- 接種したのに陽性だったとき、どう受け止めて次に進めばよいか判断できます
HPVワクチンを接種済みの方、キャッチアップ接種で打った方から、「ワクチンを打ったら、検診はもう受けなくていいの?」という質問をよくいただきます。
結論は明確で、接種していても検診は必要です。この記事ではその理由と、接種済みの方が知っておきたいポイントを整理します。
なぜ接種していても検診が必要なのか
1. ワクチンはすべての型をカバーしていません
HPVワクチンは、対応する型への感染を防ぐものです。最も対応範囲の広い9価ワクチンでも、子宮頸がんの原因の8〜9割をカバーするとされており、残りの型による感染・発がんの可能性は残ります。2価・4価ワクチンを接種した方は、カバー範囲がさらに限られます。
2. 接種前の感染には効果がありません
ワクチンは「これからの感染」を防ぐもので、接種時点ですでに感染していたHPVを排除する効果はないとされています。性経験の後に接種した方(キャッチアップ接種の方の多く)は、接種前の感染が残っている可能性を検診・検査で確認していく必要があります。
この2つの理由から、国内外のどの機関も「ワクチン+検診の両輪」を推奨しています。ワクチンは強力な予防手段ですが、検診の代わりではありません。
接種済みの方の検診は「同じルール」です
現時点で、ワクチン接種者と未接種者で検診の間隔や内容を変える運用にはなっていません。接種済みの方も:
- 20歳以上・2年に1回の自治体検診(細胞診。HPV検査単独法導入自治体では30歳以上5年に1回)
という同じルールで受けてください。
接種歴は記録し、問診で伝えましょう
- 接種した時期・回数・ワクチンの種類(2価/4価/9価)は、母子健康手帳や接種済証で確認し、控えておきましょう
- 検診や婦人科受診の問診でワクチン接種歴を聞かれたら、正確に伝えてください。結果の解釈や今後の方針の参考になります
- キャッチアップ接種などで途中回で終わっている方は、残りの接種をどうするか医療機関に相談を
HPV検査を受けたら「陽性」— ワクチンを打ったのに?
接種済みの方がHPV検査で陽性になると、「ワクチンが効かなかったの?」と混乱しがちです。多くの場合、次のいずれかです。
- ワクチンがカバーしていない型に感染した
- 接種前からの感染が続いていた
どちらも「ワクチンが無意味だった」ことを意味しません。対応は未接種の方と同じで、医療機関での確認・経過観察に進みます。
打った世代こそ、検診文化をつくる世代
ワクチンを接種した世代が検診も受け続ければ、子宮頸がんは「防げる病気」に大きく近づくとされています。実際に、ワクチンと検診の両方が普及した国では、子宮頸がんの排除(まれな病気にすること)が現実的な目標になりつつあります。
「打ったから終わり」ではなく「打った上で、2年に1回確認する」——この習慣が、あなた自身と同世代を守ります。
まとめ
- ワクチンは全型をカバーせず、接種前の感染にも効かないため、接種済みでも検診は必要です
- 検診のルールは未接種の方と同じ(20歳以上・2年に1回)
- 接種歴(時期・回数・種類)は記録し、問診で伝えましょう
- 接種済みで検査陽性でも慌てずに。対応は同じで、医療機関での確認に進めば大丈夫です
参考にした公的情報・出典
- 厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん 予防・検診」 https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/prevention_screening.html
- 日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」 https://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。ワクチン接種・検診の個別の判断は、医療機関にご相談ください。公費接種の対象・期限は変更されることがあるため、最新情報は厚生労働省・お住まいの自治体の案内をご確認ください。
症状がある方へ
不正出血、月経以外の出血、おりものの変化など、気になる症状がある場合は、検診や検査キットではなく、早めに婦人科を受診してください。

