この記事でわかること
- 妊娠中はHPVワクチンを延期するのが基本とされる理由と、その考え方がわかります
- 接種途中の妊娠や、気づかずに打った場合の受け止め方と対応がわかります
- 授乳中の接種や妊活前のスケジュールなど、産前産後の計画の立て方が整理できます
「ワクチンを打ちたいけれど妊娠中」「3回の途中で妊娠がわかった」「授乳中は打てる?」——妊娠・出産のライフステージとHPVワクチンが重なったときの疑問を、この記事で整理します。
※妊娠中・授乳中の判断は、必ず産科の主治医に相談してください。この記事は一般的な考え方の整理です。
妊娠中の接種は「延期」が基本です
妊娠中のHPVワクチン接種は、積極的には行わない(延期する)のが基本方針とされています。
これは「危険だと分かっているから」ではなく、妊婦さんへの接種データが限られているため、念のため避けるという予防的な考え方によるものです。ワクチンは急いで打たなければならないものではないので、接種は出産後に回し、妊娠中は妊婦健診に専念するのが正解です。
接種の途中で妊娠したら、出産後に続きから
3回(2回)接種の途中で妊娠が判明するケースは珍しくありません。対応はシンプルです。
- 残りの接種は出産後まで延期します
- すでに打った分が無駄になることはありません。出産後、続きから再開できるとされています(最初からのやり直しは不要です)
- 再開のタイミングは、産後の体調を見て医師と相談してください
妊娠と気づかずに打ってしまったら
「接種した後で妊娠していたことがわかった」——最も不安になるパターンですが、落ち着いてください。
妊娠初期に気づかずHPVワクチンを接種した例は世界中で多数報告されていますが、これまでのところ、胎児への悪影響(流産・先天異常の増加など)は確認されていないとされています。このため、接種してしまったことを理由に妊娠をあきらめる必要はまったくないとされています。
不安が残る場合は、妊婦健診で経緯を伝えて相談してください。以降の接種を出産後に延期する対応は同じです。
授乳中は接種できるとされています
授乳中のHPVワクチン接種は可能とされています。授乳中の接種で母乳や赤ちゃんに問題が起きたという報告は確認されていないとされています。
産後は、中断していた接種の再開や、キャッチアップ接種の期限が気になる方もいる時期です。授乳を理由にあきらめる必要はないので、接種のタイミングは産後健診や小児科受診のついでに相談してみてください。
※医療機関によって方針が異なる場合は、その案内に従ってください。
妊活前に接種を完了させるのが理想です
妊娠してからでは接種を延期することになるため、接種を考えているなら妊活前に完了させておくのが理想的なスケジュールです。3回接種は完了まで約6か月かかるので、逆算して計画しましょう。
同じ理由で、子宮頸がん検診・HPV検査も妊活前に済ませておくのがおすすめです(詳しくは「30代の妊活とHPV」の記事へ)。
まとめ
- 妊娠中の接種は延期が基本。急ぐものではないので出産後に回しましょう
- 接種途中で妊娠がわかったら残りを延期し、出産後に続きから再開(やり直し不要)
- 気づかず打ってしまっても、胎児への悪影響は確認されていないとされています。妊娠をあきらめる理由にはなりません
- 授乳中は接種できるとされています。産後の再開は健診のついでに相談を
- これから妊活の方は、妊活前の完了が理想です
参考にした公的情報・出典
- 厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
- 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/hpv_qa.html
- 日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」 https://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。妊娠中・授乳中の接種の判断は、必ず産科の主治医・接種する医療機関にご相談ください。
症状がある方へ
妊娠中の出血・腹痛など気になる症状がある場合は、すぐにかかりつけの産科に連絡してください。婦人科系の症状(不正出血・おりものの変化など)は早めに婦人科へ。

